1年もつメニューと3年もつメニューで、価格が3倍以上違う。何がそこまで違うのかが分からないまま、店頭で選ぶことになります。
筆者は三級自動車整備士とキーパーコーティング技術2級の資格を持ち、ガソリンスタンドでキーパーを施工しています。
結論|持続年数は2つあります
カタログに書かれている年数は、1つではありません。
- メンテナンスを受けない場合の年数
- メンテナンスを受けた場合の年数
ダイヤⅡキーパーなら「3年」と「6年」の2つが並びます。長いほうだけを見て選ぶと、想定と合いません。
6年のほうは、1〜2年ごとにメンテナンスを受けることが前提です。受けなければ3年で見てください。
現行メニューの持続年数
公式の数字を並べます(Mサイズ・税込・2026年8月時点。車のサイズ別で、店舗によって価格やサイズ分けが異なる場合があります)。
| メニュー | 価格 | ノーメンテ | メンテあり |
|---|---|---|---|
| クリスタルキーパー | 24,640円 | 1年 | — |
| フレッシュキーパー | 35,970円 | 1年以上 | — |
| ダイヤⅡキーパー | 80,300円 | 3年 | 6年(1〜2年ごと) |
| EXキーパー | 148,500円 | 3年 | 6年(1〜2年ごと) |
| アイアンプロテクトキーパー | 99,220円 | 3年 | 5年(年1回) |
| マットテクスチャキーパー | 44,990円 | 1年 | — |
古い数字が残っている記事に注意してください
検索すると「ダイヤモンドキーパーは年1回のメンテナンスで5年」と書かれた記事がいくつも出てきます。
現在の上位メニューの中心はダイヤⅡキーパーで、数字が違います。 メンテナンスの間隔は1〜2年ごと、到達する年数は6年です。
旧世代のメニュー名で書かれた記事が更新されないまま残っています。年数を確認するときは、メニュー名が現行のものかどうかを先に見てください。
「1年」と「3年」は何が違うのか
価格差の理由は、被膜そのものにあります。
フレッシュキーパーとダイヤⅡキーパーを並べると分かりやすくなります。違いは1層目のガラス被膜の硬度です。
施工の方法も違います。フレッシュキーパーは濡れた状態のボディに施工し、ダイヤⅡキーパーは乾いた状態で施工します。
同じ「ガラス被膜」という言葉でも、中身と作り方が別物です。年数の差は、期間の長さだけでなく被膜の質の差だと考えてください。
種類ごとの選び方はキーパーコーティングの種類の記事にまとめています。
「3年もつ」は「3年放置していい」ではありません
ここがいちばん誤解されます。
年数は被膜の寿命であって、見た目が保たれる期間ではありません。
被膜が残っていても、上に汚れが乗れば水をはじかなくなります。艶も落ちます。3年もつメニューを選んでも、洗車をしなければ1年目から「効果がない」状態になります。
実際、店に来る相談でいちばん多いのは撥水の低下です。原因の大半は被膜ではなく、上に乗った汚れでした。切り分け方はコーティングの効果がない?の記事に書いています。
塗装の状態も効きます。 年数が経って表面が荒れている車は、被膜の乗りが悪くなります。カタログの年数どおりにならないことがある、という前提で選んでください。
現場でおすすめしているメンテナンスの間隔
公式は「1〜2年ごと」です。店での案内はもう少し具体的です。
理想は1年ごとです。 そのうえで実際にすすめているのは、次の流れです。
- 施工
- 1年後にミネラルオフ(表面の汚れを落として撥水を戻す)
- 2年後に1回目のメンテナンス
1年目は表面のケアで足りることが多く、本格的なメンテナンスは2年目から、という組み立てです。
メンテナンスにはAメンテとBメンテがあります。はじきが戻ればよい人はAとBを交互に、艶もはじきも保ちたい人はBを続ける、という使い分けです。中身と費用はコーティングのメンテナンスの記事にまとめました。
年単価で計算してみます
「上位メニューのほうが年あたりは安い」と言われることがあります。メンテナンス費用まで入れて計算すると、そう単純ではありません。
6年スパンで並べます(Mサイズ・税込。ミネラルオフは10,400円です)。
| 選び方 | 内訳 | 6年合計 | 年あたり | 来店 |
|---|---|---|---|---|
| クリスタルを毎年かけ直す | 24,640円×6 | 147,840円 | 24,640円 | 6回 |
| ダイヤⅡ+2年ごとAメンテのみ | 80,300円+24,970円×2 | 130,240円 | 21,707円 | 3回 |
| ダイヤⅡ+2年ごとAメンテ+ミネラルオフ3回 | 80,300円+24,970円×2+10,400円×3 | 161,440円 | 26,907円 | 6回 |
| ダイヤⅡ+2年ごとBメンテ+ミネラルオフ3回 | 80,300円+30,580円×2+10,400円×3 | 172,660円 | 28,777円 | 6回 |
| ダイヤⅡ+毎年Aメンテ | 80,300円+24,970円×5 | 205,150円 | 34,192円 | 6回 |
クリスタルにミネラルオフを足していないのは、毎年かけ直す前提なら施工のたびにリセットされるためです。
どこまでやるかで、年あたりは21,707円から34,192円まで動きます。 クリスタルを毎年かけ直す24,640円は、その幅のちょうど真ん中に収まります。
年単価では決まりません。 見るべきは2つです。
- 性能(被膜の硬度・艶の出方)
- 来店の回数(ダイヤⅡのメンテナンスだけなら6年で3回。ミネラルオフを挟むと6回になり、クリスタルを毎年かけ直すのと同じ回数です)
金額の割り算だけで選ぶと、期待とずれます。
施工時間は書きません
競合の記事には「クリスタルは2〜3時間、ダイヤモンドは6〜12時間」といった数字が並んでいます。本記事では書きません。
理由は、車のサイズ・施工者・店舗の設備で変わるからです。書かれた数字を基準にして予定を立てると、合わないことがあります。
時間で選ぶとメニュー選びを間違えます。 預ける時間が気になるなら、数字を調べるより、施工する店に直接聞いてください。その日の混み具合まで含めて答えが返ってきます。
現場で聞いている2つの質問
メニューを決めるとき、店で必ず聞いていることがあります。
- あと何年乗りますか
- コーティングにどのような効果を期待していますか
コーティングの持続年数から選ぶのではなく、車に乗る年数から逆算します。 あと2年で乗り換える車に6年もつメニューをかけても、残りは使いきれません。
期待の中身も重要です。艶を求めているのか、洗車を楽にしたいのか、水はじきを見たいのか。求めるものが違えば、同じ年数でも選ぶメニューが変わります。
判断の全体像は新車のコーティングは必要かの記事に書きました。
よくある質問
メンテナンスを受けなかったらどうなりますか
短いほうの年数で見てください。 ダイヤⅡなら3年です。
不具合ではなく、想定どおりの動きです。3年を過ぎたら効果が落ちる前提で、かけ直しを検討してください。
施工した店以外でメンテナンスを受けられますか
受けられます。 キーパー施工店であれば、施工した店でなくても対応してもらえます。
そのときは施工証明書を必ず持参してください。 何をいつ施工したかが分からないと、適切なメンテナンスを選べません。レシートには種類が書かれていないことが大半です。
3年経ったら、全部落としてかけ直しですか
落としきる作業にはなりません。再施工では、塗装のミクロの凸凹に根を下ろしている部分と一定のガラス被膜が、塗装の上に残った状態でかけ直します。
ゼロからやり直すわけではない、という理解で構いません。
途中で上位メニューに変えられますか
変えられます。ただし塗装の状態が悪ければ、上位メニューでも被膜の乗りが悪くなります。
年数が経った車で上位に上げるなら、下地の処理を先に入れるかどうかを店で相談してください。
ディーラーのコーティングとは年数の考え方が違いますか
保証の条件を確認してください。年1回のメンテナンスが条件になっている契約が多いと説明されています。詳しくはディーラーコーティングとキーパーの比較記事に書きました。
まとめ|年数は2つ、選ぶ基準は年単価ではない
- カタログの年数はノーメンテとメンテありの2つ。長いほうはメンテナンス前提です
- ネットには旧ダイヤモンドキーパーの数字が残っています。 現行のダイヤⅡは1〜2年ごとのメンテで6年です
- フレッシュとダイヤⅡの違いは1層目のガラス被膜の硬度。施工も濡れた状態と乾いた状態で違います
- 「3年もつ」は「3年放置していい」ではありません。 汚れが乗れば年数内でも効果は落ちます
- 現場の案内は1年後にミネラルオフ(10,400円)、2年後に1回目のメンテナンス
- 年単価では決まりません。 どこまでやるかで年21,707〜34,192円まで動き、クリスタルを毎年かけ直す24,640円はその中間です
決めるときは、あと何年乗るかと何を期待するかの2つから逆算してください。コーティングの持続年数だけを比べても、答えは出ません。

